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同定検査(遺伝子解析)微生物・昆虫

同定検査(遺伝子解析)微生物・昆虫

生物の同定とは

微生物が存在することの望ましくない、食品、医薬の製造環境から微生物が検出された場合、どの様な対策をとればよいのでしょうか。 あるいは、アレルギーの原因となったり、壁にしみなどを作って美観を損ねたりする室内外の微生物はどのように処理すればよいのでしょうか。

その指針となるのが、微生物の同定です。微生物の同定とは、微生物はどのような種類かを、微生物の様々な性質から判断して決定することです。

微生物の同定はどのように行うか

観察可能な微生物の性質には次のようなものがあります。

・大きさ、色、形(球形、棒状、らせん状に別れます。また、一つ一つ独立したものと繋がったものがあります。)
・染料により着色されるかどうか(例えば、クリスタルバイオレットという染料で青く染まるものと染まらないものがあります)
・特定の物質を別なものに変えられるか
 (例えば、過酸化水素水を分解して、水と二酸化炭素に変える微生物と変えられない微生物があります)
・特定な栄養源を利用できるか(例えば、ブドウ糖を利用できる微生物と利用できない微生物があります)
・特定の部位の遺伝子の配列(主として16S rDNAという部位の配列を利用します。)

以上の性質の組み合わせで微生物の同定をします。

同定結果はどのように利用できるか

・その微生物がどこから来たのか推定できます。
・大腸菌が検出されたら、それは人に由来する可能性が考えられます。
・大腸菌と同じく人が持っている微生物(もしかしたら病原菌)が近くにいるかもしれません。

同定の種類

1. 特定微生物の検出
医薬品、医薬部外品、食品などに混入することが特に好ましくない、大腸菌、緑膿菌、サルモネラ、黄色ブドウ球菌の4種類があるかどうかを比較的簡単な試験により試験します。

2. 生理的、生化学的性質による同定
生化学試験を実施し、細菌の属種までの同定を行ないます。 カビの同定は肉眼および顕微鏡による形態観察により同定を行ないます。

3. 遺伝子の配列による同定
主として16S rDNAという部位の配列を利用します。(一部の試験は外部委託により行なっています) どの方法がお客さまのご要望に沿うか、無料で相談を承ります。
生育に特殊な条件が必要な微生物や、データの蓄積が十分でない微生物は同定ができない場合があります。

【 菌同定(報告書例)Staphylococcus epidermidis 】

昆虫類の同定試験

昆虫類の同定とは

昆虫類の同定とは、昆虫類がどのような種類かを、その形態や遺伝子によって調べることです。

同定結果はどのように利用できるか

食品や医薬品の製造環境から虫が発見された場合、その防除対策を計画するにあたり、昆虫類の種類を特定する事が重要になります。昆虫類の種類が特定できれば、その種類の生態(習性)から、その虫が製造環境で発見された原因が推測できます。原因が分からなければ、有効な対策が立てられません。

また、混入異物として製品から昆虫類が発見された場合など、種類を特定する事でどの段階で混入したか推測できる場合があります。近年、海外との取引が増えてたことで、原料輸入や製品輸出により日本にいない虫が混入したケースも少なくありません。

昆虫類の同定はどのように行うか

検索表や図鑑による同定
基本的な同定方法は顕微鏡下による目視検査です。発見された昆虫類の形態観察(翅の模様・触角の形など)から、検索表や図鑑を参考に判断します。

遺伝子配列による同定(外部委託により行っています)
特定の部位の遺伝子配列を調べ、データベースと照合し判断します。昆虫類の一部からでも遺伝子がとれれば、同定する事ができます。

※どの方法がお客さまのご要望に沿うか、無料で相談を承ります。
  検体の状態やデータの蓄積が十分でない昆虫類は同定ができない場合があります。

【 昆虫類同定(報告書例) 】

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